自動車保険の車両保険を付ける基準は、事故や災害で車が損傷したとき、自分で修理費を負担できるかです。特に、車の価値が高い、ローンが残っている、修理費をすぐに用意できない場合は、車両保険を付ける必要性が高くなります。
一方、車の価値が低い、保険料を長期間負担するほうが大きい、修理費を貯蓄から出せる場合は、車両保険を付けない選択も考えられます。
車両保険を付けるか判断する5つの基準
車両保険の判断では、次の順番で確認すると結論を出しやすくなります。
- 車の現在の価値がどの程度あるか
- 事故で大きな修理費が発生した場合に支払えるか
- 自動車ローンの残高があるか
- 車両保険の保険料と免責金額がいくらか
- 補償範囲をどこまで必要とするか
1. 車の価値が高いか
新車や年式の新しい車、中古車市場で価値が残っている車は、車両保険を付ける基準にしやすい車です。事故で全損になった場合や、修理費が高額になった場合に、自動車保険から受け取れる金額が大きくなる可能性があるためです。
ただし、車両保険で支払われる金額には、車種や年式などをもとにした車両保険金額の上限があります。購入時の価格がそのまま補償されるとは限りません。
2. 高額な修理費を自分で支払えるか
車両保険を付けるか迷ったら、「車が大きく壊れたときに、修理費や買い替え費用を貯蓄から出せるか」を考えます。
- まとまった修理費を用意できない
- 車がないと通勤や通学、仕事に支障が出る
- 突然の買い替え費用を準備できない
このような場合は、車両保険を付ける必要性が高いと考えられます。反対に、修理費や買い替え費用を無理なく準備できるなら、車両保険を付けずに保険料を抑える方法もあります。
3. 自動車ローンが残っているか
自動車ローンの返済中は、車が全損になってもローンだけが残ることがあります。車両保険を付けると、契約内容や車両保険金額の範囲内で、全損時の負担を軽くできる可能性があります。
ただし、車両保険金額がローン残高を必ず全額カバーするとは限りません。ローン残高、車の時価相当額、設定できる車両保険金額をそれぞれ確認してください。
4. 保険料と免責金額が見合っているか
車両保険を付けると、車両保険を付けない契約より保険料が高くなります。見積もりでは、車両保険を付けた場合と外した場合の年間保険料を比較しましょう。
同時に、免責金額も確認が必要です。免責金額とは、事故の修理費のうち契約者が自己負担する金額です。たとえば免責金額が10万円で修理費が50万円の場合、単純に考えると保険金の対象は免責金額を除いた部分になります。
実際の支払額は、事故の種類や契約条件によって異なります。見積もりでは、次の条件を並べて比較すると判断しやすくなります。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 車両保険あり | 年間保険料、車両保険金額、免責金額 |
| 車両保険なし | 保険料の差額、自分で負担できる修理費 |
| 補償を限定した契約 | 補償される事故と、対象外になる事故 |
5. どの事故を補償したいか
車両保険には、補償する事故の範囲を広く設定するタイプと、補償範囲を限定して保険料を抑えるタイプがあります。契約によって名称や補償内容は異なりますが、一般に交通事故だけでなく、盗難、台風、洪水、落書き、飛来物などが補償対象になることがあります。
ただし、地震や噴火、地震による津波などは、通常の車両保険では補償されない場合があります。補償される事故は保険会社や商品によって異なるため、契約前に保険証券や重要事項説明書で確認してください。
車両保険を付けたほうがよい人
次のいずれかに当てはまる場合は、車両保険を付ける方向で検討しやすくなります。
- 新車や年式の新しい車に乗っている
- 車の購入価格や市場価値が比較的高い
- 自動車ローンの返済が残っている
- 事故で車を失うと生活や仕事に大きな影響が出る
- 修理費や買い替え費用を貯蓄から出せない
- 盗難や自然災害など、自分では避けにくい損害にも備えたい
- 運転に不慣れな人が運転することがある
特に、車が生活に欠かせず、突然の修理費や買い替え費用を用意できない場合は、車両保険の保険料を「大きな出費に備える費用」と考えられます。
車両保険を付けない選択をしやすい人
次の条件に当てはまる場合は、車両保険を付けない、または補償範囲を限定する方法を検討できます。
- 車の現在価値が低く、受け取れる車両保険金額も小さい
- 修理費や買い替え費用を自分で準備できる
- 車両保険を付けると保険料の負担が大きい
- 車が使えなくなっても代替交通手段がある
- 小さな損害は自己負担し、大きな損害だけに備えたい
車両保険を付けない場合でも、相手がいる事故で相手に損害賠償責任があるときは、相手の対物賠償保険などから賠償を受けられる可能性があります。ただし、自分の過失分や相手がいない事故、自損事故などは別に考える必要があります。
迷ったときは「車両保険あり・限定補償・なし」で比較する
車両保険を付けるか決められないときは、3パターンの見積もりを同じ条件で比べると判断しやすくなります。
| 選択肢 | 向いている考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 補償範囲が広い車両保険 | 事故や災害など幅広い損害に備えたい | 保険料が高くなりやすい |
| 補償範囲を限定した車両保険 | 保険料を抑えながら、盗難や自然災害などに備えたい | 対象外の事故がある |
| 車両保険なし | 修理費を自分で負担でき、保険料を抑えたい | 自分の車の損害は原則として自己負担になる |
比較するときは、保険料だけでなく、補償対象、車両保険金額、免責金額、事故後の等級への影響を確認します。保険を使うと、事故の種類によっては翌年度以降の保険料が上がることがあるため、小さな修理では保険を使わないほうがよい場合もあります。
車両保険を付ける前に確認する項目
契約前には、次の項目を保険会社や代理店の見積もりで確認してください。
- 車両保険金額はいくらか
- 車両保険金額は車の買い替えに十分か
- 補償される事故と対象外の事故は何か
- 免責金額はいくらか
- 盗難や自然災害は補償対象か
- 全損時に追加で支払われる特約があるか
- 新車向けの補償や買い替え費用に関する特約が使えるか
- 車両保険を使った場合の等級や翌年度の保険料はどうなるか
車両保険金額が低い場合、車両保険を付けても買い替え費用の全額をまかなえないことがあります。また、特約には対象となる車の条件や契約期間が設定されている場合があるため、名称だけで判断しないことが大切です。
車両保険を付ける基準の結論
車両保険を付ける基準は、車の価値と、損害が発生したときの自己負担能力を比べることです。新しい車、ローンが残る車、生活に欠かせない車で、修理費や買い替え費用をすぐに用意できないなら、車両保険を付ける必要性が高くなります。
反対に、車の価値が低い、保険料の負担が大きい、修理費を貯蓄から出せる場合は、限定補償や車両保険なしも選択肢です。まずは同じ補償条件で「車両保険あり・限定補償・なし」の保険料と補償範囲を比較し、自分が負担できる損害の大きさに合わせて決めてください。







