自動車の盗難は、契約している車両保険の補償範囲に含まれていれば補償されます。ただし、車両保険を付けていない場合や、契約対象外の車両・部品の盗難は補償されません。補償の有無は、車両保険の種類と保険会社の約款で決まります。
自動車保険の盗難は車両保険で補償される
任意の自動車保険に車両保険を付けていて、盗難が補償対象になっていれば、車が盗まれた場合の損害を車両保険で補償できます。
一方、対人賠償保険や対物賠償保険は、他人を死傷させたり、他人の物を壊したりした場合の補償です。自分の車の盗難は、これらの保険では補償されません。また、自賠責保険にも車両盗難の補償はありません。
車両保険の種類によって盗難の補償が変わる
盗難が補償されるかは、車両保険を付けているかだけでなく、契約した補償タイプにも左右されます。一般的な違いは次のとおりです。
| 契約の状態 | 盗難の扱い | 確認すること |
|---|---|---|
| 車両保険なし | 車の盗難は補償されない | 車両保険が付いているか |
| 補償範囲の広い車両保険 | 盗難が補償対象となることが多い | 盗難の補償、免責金額、保険金額 |
| 補償範囲を限定した車両保険 | 盗難を含む契約がある一方、商品によって内容が異なる | 「盗難」が補償項目に含まれているか |
「エコノミー型」「車対車+A」などの名称が使われていても、補償内容は保険会社や商品によって異なります。名称だけで判断せず、保険証券や契約内容の「車両保険の補償範囲」を確認してください。
盗難された車に支払われる保険金
車が見つからず、契約上、盗難による全損として扱われる場合は、契約した車両保険金額を基準に保険金が支払われます。ただし、免責金額や特約、保険金額の設定によって支払額は変わります。
たとえば、車両保険金額が200万円で、盗難時の免責金額が5万円と仮定すると、単純な計算では次のようになります。
200万円-5万円=195万円
これは計算方法を説明するための仮定例です。実際の支払額は、契約内容、車両の状態、盗難後の発見状況、特約の有無などによって異なります。車両保険金額がそのまま必ず支払われるとは限りません。
盗難車が後から見つかった場合
盗難車が発見された場合は、車の損傷状況や保険金の支払い前後によって扱いが変わります。車両が壊されていれば、盗難による損害や修理費が補償対象になることがありますが、全損として保険金が支払われた後の車両の扱いは保険会社への確認が必要です。
車を発見した場合は、自分で運転したり修理したりせず、警察と保険会社に連絡してください。
車の一部や車内の荷物が盗まれた場合
車そのものではなく、部品や車内の荷物だけが盗まれた場合は、車両保険で補償されるかどうかが分かれます。
- タイヤやホイールなどの部品:車両保険の対象になることがある
- 車内に置いていたバッグやパソコンなど:車両保険の対象外となることが多い
- 車に固定していない荷物:個人の持ち物を補償する別の保険や特約の確認が必要
- 車両に装着した社外品:保険会社への申告や契約上の扱いによって異なる
部品や付属品の盗難は、車両保険の補償内容だけでなく、免責金額も確認が必要です。車内の荷物は車両保険で補償されるとは限らないため、盗難された物を一覧にして保険会社へ伝えましょう。
盗難の補償を受けるために最初にすること
車が盗まれたら、発見を待たずに警察と保険会社へ連絡します。保険金請求には、盗難届の受理番号などが必要になる場合があります。
- 盗難された場所や最後に車を確認した時刻を整理する
- 警察へ盗難を届け出て、届出の受理番号を確認する
- 自動車保険の事故受付窓口へ連絡する
- 車両保険の有無、盗難補償の対象、必要書類を確認する
- 車検証、保険証券、鍵、車の写真など、保険会社から求められた資料を提出する
スペアキーを含む車の鍵をすべて用意できるか、最後に鍵を使った状況、車内にあった物も確認しておくと、事故の説明がしやすくなります。鍵を車内に置いたままにしていたなどの事情がある場合も、自己判断で隠さず、事実をそのまま保険会社へ伝えてください。
盗難で保険を使うと翌年の保険料は上がる?
盗難で車両保険を使うと、一般に翌年度の等級が下がり、保険料が上がる場合があります。盗難は、多くの自動車保険で「1等級ダウン事故」として扱われますが、等級制度や適用条件は契約内容によって確認が必要です。
保険金を請求する前に、受け取れる保険金の見込み額と、翌年以降の保険料の増加額を保険会社に確認すると、保険を使うか判断しやすくなります。
盗難の補償を確認する場所
次の項目を、保険証券や契約者向けウェブページで確認してください。
- 車両保険が付いているか
- 盗難が補償対象に含まれているか
- 車両保険金額はいくらか
- 免責金額はいくらか
- 車両保険の対象となる車両や付属品は何か
- 車両保険を使った場合の翌年度の等級や保険料
契約内容に「盗難」と明記されていない場合や、車両保険の種類が分からない場合は、保険会社または代理店に確認してください。補償の有無を確認する前に、車両保険が使えると決めつけないことが大切です。
自動車保険の盗難は、車両保険付きで、契約の補償範囲に盗難が含まれていれば補償されるのが基本です。盗難に遭ったら警察へ届け出たうえで、保険証券の車両保険・盗難補償・免責金額を確認し、保険会社へ連絡してください。







