自動車保険の当て逃げは、車両保険の補償対象になることがあります。ただし、車両保険のタイプによっては対象外です。特に、相手の車や運転者を特定できない当て逃げは、一般型の車両保険では補償されやすい一方、「車対車+限定A」などの限定型では補償されない場合があります。
当て逃げが補償される車両保険の種類
当て逃げの補償可否は、契約している車両保険の補償範囲で決まります。名称や細かな条件は保険会社によって異なりますが、一般的には次のように考えます。
| 車両保険のタイプ | 相手が分かっている事故 | 相手が分からない当て逃げ |
|---|---|---|
| 一般型 | 補償対象になりやすい | 補償対象になりやすい |
| 車対車+限定Aなどの限定型 | 契約条件を満たせば補償対象になることがある | 対象外になることが多い |
「車対車+限定A」は、車同士の衝突に加えて、盗難や台風、洪水、火災などを補償するタイプです。ただし、車同士の事故について相手の車両や運転者を確認できることが条件となる場合があり、相手が分からない当て逃げは対象外になりやすい点に注意が必要です。
最終的な判断は、保険証券や契約内容に記載された補償範囲と、契約先の保険会社の約款で確認してください。
当て逃げで車両保険を使うと等級はどうなる?
当て逃げで車両保険を使うと、一般的には翌年度の等級が下がり、事故有係数適用期間が加算される3等級ダウン事故として扱われます。
相手が見つからず、自分に過失がないように思える場合でも、車両保険を使うと自動的に等級へ影響することがあります。等級が下がると、翌年度以降の保険料が上がる可能性があるため、修理費と保険料の上昇分を比較してから請求することが大切です。
ただし、事故の扱いや特約の適用条件は契約内容によって異なります。無過失事故に関する特約が付いていても、当て逃げのように相手を特定できない事故では適用されない場合があるため、自己判断で「等級に影響しない」と考えないようにしましょう。
車両保険を使うか判断する方法
車両保険を使うかどうかは、修理費だけでなく、免責金額と翌年度以降の保険料も含めて判断します。
- 警察へ当て逃げの被害を届け出る。
- 車の傷や周辺の状況を写真で記録する。
- 修理工場で修理費の見積もりを取る。
- 保険会社へ、車両保険を使った場合の等級と保険料への影響を確認する。
- 修理費と、将来増える保険料の見込みを比較して決める。
たとえば、修理費が車両保険の免責金額に近い場合、保険を使っても受け取れる金額が少なくなることがあります。反対に、修理費が高額で自費負担が難しい場合は、等級への影響を踏まえても車両保険を使う意味があるでしょう。
当て逃げに遭ったら最初にすること
当て逃げの被害に気付いたら、相手が見つかっていなくても、まず警察へ届け出てください。保険会社へ事故を連絡する際に、届出の有無や受理番号などを確認されることがあります。
- 傷の位置や大きさ、車全体を撮影する
- 駐車していた場所と発見時刻を記録する
- 目撃者がいれば連絡先を聞く
- 駐車場の管理者へ防犯カメラの有無を確認する
- ドライブレコーダーの映像を保存する
- 相手を見つけても、その場で示談せず保険会社や警察へ連絡する
防犯カメラの映像は保存期間が限られていることがあるため、駐車場や店舗の管理者には早めに相談しましょう。ただし、映像が残っていることや、相手を特定できることは保証されません。
当て逃げの車両保険でよくある注意点
車両保険に加入していなければ補償されない
対人賠償保険や対物賠償保険は、通常、自分の車の当て逃げ被害を修理するための保険ではありません。自分の車の損害を補償するには、当て逃げを補償範囲に含む車両保険が必要です。
免責金額分は自己負担になる
車両保険に免責金額が設定されている場合、修理費の一部を自己負担します。たとえば、修理費が30万円で免責金額が5万円なら、保険金の計算上は5万円を自己負担することになります。実際の支払額は契約条件によって異なるため、保険会社に確認してください。
傷の原因や発生時期が分からないと確認に時間がかかることがある
当て逃げだと思っていても、いつ、どこで付いた傷か分からない場合は、保険会社が事故状況を確認することがあります。傷を発見した時点で写真を撮り、発見場所や状況をできるだけ正確に伝えましょう。
自動車保険の当て逃げは車両保険で補償される?
一般型の車両保険なら、相手が分からない当て逃げでも補償される可能性があります。一方、車対車+限定Aなどの限定型では、相手を特定できない当て逃げが補償対象外になることが多いです。
当て逃げを発見したら、警察への届出、被害状況の記録、保険会社への連絡を順番に行いましょう。保険を使うと等級や保険料に影響する可能性があるため、修理費と将来の保険料を比較してから請求するのが基本です。







