自動車保険の事故で等級は据え置きになる?

自動車保険の事故で等級は据え置きになる?

自動車保険の事故で等級が据え置きになるケースはあります。ただし、現在の一般的な制度では「等級据え置き事故」というより、保険を使っても翌年度の等級が下がらないノーカウント事故として扱われるかどうかで判断します。

事故の種類によって、翌年度の等級は「下がらない」「1等級下がる」「3等級下がる」に分かれます。保険会社や契約内容によって扱いが異なる場合があるため、最終的には保険証券や契約先の事故区分を確認してください。

等級が据え置きになるのは「ノーカウント事故」の場合

ノーカウント事故とは、保険金を受け取っても事故件数に数えず、翌年度の等級が1つ進む事故です。事故がなかった場合と同じ扱いになるため、一般に「等級が据え置き」と誤解されることがあります。

たとえば、現在の等級が15等級でノーカウント事故に該当した場合、通常は翌年度に16等級へ進みます。契約上の上限等級に達している場合は、等級が上限を超えて進むことはありません。

ノーカウント事故に該当することがある補償には、次のようなものがあります。ただし、補償の種類や保険会社によって細かな条件は異なります。

  • 人身傷害保険や搭乗者傷害保険による補償
  • 弁護士費用特約の利用
  • 個人賠償責任特約の利用
  • ロードサービスなど、事故件数に数えない特約の利用

同じ事故で車両保険など別の補償も使うと、ノーカウント事故ではなく、1等級ダウン事故や3等級ダウン事故になることがあります。

事故による等級の下がり方は3種類

事故の区分 翌年度の等級 事故有係数適用期間
ノーカウント事故 等級は下がらず、通常は1等級進む 加算されない
1等級ダウン事故 1等級下がる 通常1年間
3等級ダウン事故 3等級下がる 通常3年間

「事故有係数適用期間」とは、事故を起こした後の保険料計算に使われる期間です。同じ等級でも、事故有係数が適用されている期間は、無事故の場合より保険料が高くなることがあります。

1等級ダウン事故になる主なケース

1等級ダウン事故は、保険を使うと翌年度の等級が1つ下がる事故です。車両保険を使う事故のうち、相手との衝突以外の一部が該当します。

一般的には、次のような事故が1等級ダウン事故に分類されることがあります。

  • 車両の盗難
  • 台風、洪水、高潮、落雷、ひょうなどによる損害
  • いたずらや落書きによる損害
  • 飛来物や落下物による損害
  • 車両火災や爆発による損害
  • 窓ガラスの破損

たとえば15等級で1等級ダウン事故として車両保険を使うと、翌年度は14等級になります。さらに、通常は翌年度の契約から1年間、事故有係数が適用されます。

3等級ダウン事故になる主なケース

相手のいる衝突事故や、運転中の単独事故で車両保険を使う場合などは、3等級ダウン事故になることが一般的です。

  • 他の車や物に衝突した事故
  • 自分の車を電柱や壁などにぶつけた事故
  • 当て逃げによる車両の損害で車両保険を使う場合
  • 事故による相手への対人・対物賠償で保険を使う場合

たとえば15等級で3等級ダウン事故として保険を使うと、翌年度は12等級になります。通常は翌年度から3年間、事故有係数が適用されます。

以前の「等級据え置き事故」と現在の扱いは違う

以前は、車両盗難や飛び石によるフロントガラスの破損などを「等級据え置き事故」と呼び、保険を使っても翌年度の等級が変わらない扱いがありました。

現在の一般的な自動車保険では、こうした事故の一部は「1等級ダウン事故」として扱われます。そのため、古い記事や契約時期の異なる説明にある「据え置き」という言葉だけで判断するのは危険です。

契約の更新時期や保険会社の約款によって扱いが異なる可能性があるため、次の資料で事故区分を確認してください。

  • 保険証券や契約内容のお知らせ
  • 自動車保険の約款
  • 保険会社の事故区分の説明
  • 事故受付や保険金請求の担当者からの案内

保険を使う前に確認したいこと

等級が下がる事故では、保険金を受け取る金額より、翌年以降の保険料の増加額が大きくなることがあります。少額の車両損害では、保険を使わずに自己負担したほうが、長期的な負担が小さくなる場合もあります。

判断するときは、次の順番で確認します。

  1. 事故の種類がノーカウント、1等級ダウン、3等級ダウンのどれに該当するかを保険会社へ確認する。
  2. 保険を使った場合の翌年度以降の等級と、事故有係数適用期間を確認する。
  3. 保険を使わない場合の修理費や賠償額と、保険を使った場合の保険料増加額を比較する。
  4. 等級や保険料への影響を確認してから、保険金請求を進める。

すでに保険会社へ事故の連絡をしただけでは、必ず保険金を請求しなければならないとは限りません。ただし、事故の状況によって対応が異なるため、請求を取り下げられるか、等級に影響するかは担当者へ確認してください。

自動車保険の事故で等級が据え置きになるかの結論

自動車保険の事故で等級が下がらないのは、主にノーカウント事故に該当する場合です。一方、盗難や飛び石などは、現在の一般的な制度では1等級ダウン事故になることがあり、以前の「等級据え置き事故」とは扱いが異なります。

保険を使う前に、事故区分・翌年度の等級・事故有係数適用期間の3点を保険会社へ確認することが、等級への影響を判断する最初の手順です。